花火思想
コンビニでアルバイトをしながら、うだつのあがらない毎日を送っていた優介は、夢に出てきた馬の面を被った男のことが頭から離れずにいた。ある日、昔組んでいたバンドのメンバーと再会するが、それは忘れようとしていた過去との再会でもあった。恋人が拾ってきた不気味な人形、ホームレスの男、馬の面、聴こえない音楽。そして優介は、夢の男に導かれるように此処ではない何処かへといざなわれていくのだったが…。
音楽に留まらず、何かを「表現する」という衝動に獲り憑かれた人間の矛盾と狂気が、あらゆる表現者たちと同化し爆発する。