女生徒・1936
(C)2013 GEN-YA FILMS
女性の語りで書かれた太宰治の名作、「燈籠」「女生徒」「きりぎりす」「待つ」の四作品をもとに映画化。
「燈籠」下駄屋のひとり娘・咲子は、年下の商業学校の学生・水野のために、男物の水着を盗んで交番に連れて行かれる。そこで、自分の思いを必死に抗弁するが、新聞記事にも取り上げられ、近所でも、笑いものになってしまう。そして、水野からの手紙が…。
「女生徒」父親を病気で一年前に亡くし、姉は二年前に嫁ぎ、母親と二人暮らしをしている女学生の佳子。一人の少女の一日の生活を、彼女の意識の流れに沿って展開していく。
「きりぎりす」裕福な家庭に育った智子は、社会に対し信念を持って生き、それをあたりまえのように実践する。妥協を許さないその生き方は、愛する夫に対しても、その気持ちをまともにぶつける。
「待つ」前3作のヒロインのイメージが集約された葉子。駅舎で待つ葉子、それは、太平洋戦争の始まりの昂揚感、未来への希望でもある何か、いま、どこにもない世界に空想が広がっていく。