ヨーロッパ・ジャンル映画界の異才が臨界突破で叩き込む!エクストリーム・ハードゴア・アクション『FARANG/ファラン』より、主演のナシム・リエスのオフィシャルインタビューが到着した。
地元の裏社会から逃れ、タイの美しいビーチへとたどり着いたフランス人の格闘家サムは、現地で出会った妻ミア、娘のダラと仲睦まじく暮らしていた。ホテルのポーターとして働く一方で、危険なムエタイのファイターとして賭け試合に出場するのも、すべて家族のため、いつか自分の店を持ちたいというミアの夢を叶えるためだった。しかし「FARANG(よそ者、外国人)」で、脛に疵を持つサムにとってそれさえ簡単な話ではなかった。焦ったサムは、同じフランス人の男ナロンからある仕事を引き受ける。成功すれば全てがうまくいく…。しかし、サムを待ち受けていたのは、想像もしなかった過酷で残虐な運命だった…。
愛する者を奪われ、捨て身の覚悟でひたすら敵を殺しまくる主人公サムを演じるのはキックボクシングの大会で優勝経験もあるフランスの新星ナシム・リエス。極限まで鍛え上げられた肉体が繰り出す圧巻のアクションと、ザヴィエ・ジャンが見せる極限の人体損壊描写が奏でるハードゴアのアンサンブルは圧巻の一言。更に『オンリー・ゴッド』で映画ファンのハートを虜にしたヴィタヤ・パンスリンガム、カンヌ国際映画祭主演男優賞受賞の重鎮オリヴィエ・グルメらベテラン勢が、凄絶な愛と復讐の交響曲に荘厳な彩りをもたらしている。
『FARANG/ファラン』以前のキャリアはどのようなものがありましたか?
ニコラ・ブークリエフ監督の『メイド・イン・フランス -パリ爆破テロ計画-』とオリヴィエ・マルシャルの『オーバードーズ 破滅の入り口』など、映画やシリーズものに出演するようになったのは10年も前のことです。でもアクションという点では、ザヴィエ・ジャン映画のような作品には出演したことがありませんでした。
手本になった俳優はいますか?
若い頃は80年代・90年代のアクションスターであるジャン=クロード・ヴァン・ダムやスティーヴン・セガール、ニコラス・ケイジ、デンゼル・ワシントンなどがお手本でした。
ザヴィエ・ジャンとはどのようにして出会いましたか?
ニューヨークで「ギャング・オブ・ロンドン」のシーズン2のオーディションを受けていました。ザヴィエに連絡して僕のデモテープを見てもらったら素晴らしいと思ってくれて、彼はそのシリーズには携わっていませんでしたが、ギャレス・エヴァンス(「ギャング・オブ・ロンドン」脚本)に話を持ちかけてくれました。しかし、エヴァンスはいかつい顔をした俳優を探していて、その役は僕には「ハンサムすぎた」そうです。ザヴィエはその後パリで食事に誘ってくれて、僕の友人でもあるサリム・ケシュシュと約束していた『FARANG/ファラン』の脚本の話をしました。その1か月後にザヴィエから電話があって、サリムが別のプロジェクトに時間を取られているからと私にオファーをしてくれました。私は大喜びでその話に飛びつき、こうして僕たちの冒険が始まったのです。
どのようにしてアクションスターの役作りをしたのですか?
2010年にフランスのキックボクシングのチャンピオンになったことがあります。その時に、俳優になるために法律の勉強をやめました。そこから『FARANG/ファラン』のようなパワフルな脚本に出会えるまで13年も待ちましたが、その間総合格闘技をしている兄とのトレーニングはやめませんでした。格闘技は僕の初恋です。肉体面では準備万端でしたが、役作りのために73キロから67キロまでダイエットをしなければなりませんでした。撮影中も1日2回の激しいトレーニングをしていたので、ダイエットはハードでした。リアルなムエタイの選手を演じるために頑張りました。
本作の中での戦闘シーンはどのように取り組みましたか?
ザヴィエ・ジャンとジュード・ポイヤー、オリヴィエ・サから、プリビジュアライゼーションについて教えてもらいました。ミリ単位で動きを完璧にする必要があるので、非常に正確でなければなりません。特にシーンのつなぎ目もあり、とても難しくて激しかったです。例えばエレベーターのシーンは連続したテイクのように見えますが、実際には70カットもあるんです。そうやって忘れられないシーンというのは作られていくわけです。時間が足りなくて僕が自分でやらなかったスタントが一つだけありました。そしてラストショットで足首を骨折したんです!全くクレイジーでした。でもこのようなアクション映画を作ってる以上、どこかを怪我するのは避けられないと思いました。
ムエタイの試合がとてもリアルに見えました。
実際に殴り合っているからこそのリアルさだと思います。相手のキックボクサーが僕の前腕を折るんじゃないかと思ったほどです。顔以外は思い切り殴り合いました。
話の中心ではないアルジェリアの英雄を演じることはご自身にとって重要でしたか?
アルジェリア系のフランス人ヒーローを演じましたが、それは話の中心となる部分ではありませんでした。今のフランスではごく当たり前のことで、僕が『FARANG/ファラン』を愛している理由でもあります。僕はフランス人であると同時に、自分の出身を誇りに思っています。
アメリカでのキャリアを夢見るようになりましたか?
俳優のキャリアを始めてから13年も経つので、もはや夢物語を追うことはありませんが、『FARANG/ファラン』ほどアメリカへの名刺代わりとなることはないと思います。アメリカではすでに小さな仕事をいくつかしていますが、大きなアクション映画を是非やりたいです。『イコライザー』のようなデンゼル・ワシントン映画やジェイソン・ステイサム映画に出演することが夢です。今はただ『FARANG/ファラン』のアメリカ公開を待っているところです。
ザヴィエ・ジャンの次回作にも出演されますね。
仕事上では、最初から意気投合しました。次は彼のサメ映画でベレニス・ベジョと共演する予定です。そして、別のプロジェクトもすでに計画を始めています。
5月31日(金)より、新宿ピカデリーほか全国ロードショー