日本で働く外国人女性労働者の実態をリアルに描いた実話を基にした異色のアジアン・ラブストーリー『フィリピンパブ嬢の社会学』の拡大公開が決定した。
本作は重版を重ねる中島弘象氏によるベストセラー新書「フィリピンパブ嬢の社会学」の映画化作品。筆者の実体験を基に、フィリピンパブの裏側で未だ行われている偽装結婚を背景にして多文化共生のあり方をリアルに描いた異色のアジアン・ラブストーリーだ。
主人公の大学院生・中島翔太役に前田航基。2011年に公開された是枝裕和監督作「奇跡(弟の前田旺志郎とのW主演)」以来、11年ぶりの主演(単独としては初主演)作となった。ヒロインのフィリピンパブ嬢・ミカ役には全国オーディションを経て、本作が映画初出演となる一宮レイゼルが抜擢された。『能登の花ヨメ』『ママ、ごはんまだ?』『あしやのきゅうしょく』を手掛けてきた白羽弥仁監督がメガホンをとった。
2023年11月10日より愛知内にて公開されると、公開14日間で早くも動員数が3,000人を超えるスマッシュヒットを記録。英語字幕上映では、在日フィリピン人らが多く訪れるなど、在日外国人の中でも話題となっている。現在上映中のミッドナイトシネマ名古屋空港では、平日も観客数が落ちることなく、好調が続いており、年内も上映を継続。また、愛知県下では新たに刈谷日劇(刈谷市)での公開が来年1月19日に追加決定した。
以上のような反響の大きさから、全国公開も決定。2024年2月より、新宿Kʼs cinemaほか全国で公開される。
■『フィリピンパブ嬢の社会学』予告編
白羽弥仁(監督)コメント
製作にあたって、企画を理解してもらうのに時間がかかった作品です。
それでも「つくりたい」という私たちのパッションが結実し、今こうして「みたい」「もう一度もみたい」というお客様のパッションと結びつきました。
お陰様でご当地となった愛知県から「もっと多くの方にみてもらいたい」という熱望のうねりが起きています。愛すべきヒロインミカのセリフ「ポジティブ!」を更に広い世界に届けたいと思います。
中島弘象(原作者)コメント
フィリピンパブ嬢の社会学を沢山の方に観て頂き、本当にありがとうございます。私も劇場に足を運ぶ度に「面白かったよ」「いい話だった」と声を掛けられ感謝の気持ちでいっぱいです。そして、毎回多くのフィリピン人の方々が観に来てくださり、皆さん「自分た
ちの物語だ」と喜び、中には涙まで流してくれる人もいました。
この映画は、私の実体験をもとに描いた作品ですが、私だけではなく、日本に住むフィリ
ピン人の方、その家族、友人、職場の同僚、そしてフィリピン以外の外国出身の人たちと関わりのある方、全ての人の話だと思っております。
今、日本には沢山の外国にルーツを持つ人たちが住んでいます。この映画は国籍が違っていても共に認め合いながら、生きていくことの大事さを伝える力を持っている作品だと、私は確信しています。