2017年の発売以来、ただの恋愛小説にとどまらない、切なすぎる小説としてSNS等で反響が広がり続け、現在すでに50万部を突破している「余命10年」(小坂流加著/文芸社文庫NEO刊)が、『新聞記者』(第43回日本アカデミー賞6部門受賞)『ヤクザと家族 The Family』の藤井道人監督により映画化、2022年に公開されることが決定した。
数万人に一人という不治の病で、余命が10年であることを知った20歳の茉莉(まつり)。彼女は生きることに執着しないよう、恋だけは決してしないと心に決めていた。しかし地元の同窓会で和人(かずと)と出会い、茉莉の10年は大きく動いていく……。
本作は第6回静岡書店大賞の「映像化したい文庫部門」の大賞を受賞するなど、書店員からも映像化を希望する声が多く上がっていた。なお、文庫化と同時に、著者が本作の主人公同様に難病を抱えていたこと、そして病状が悪化し本作の文庫版発行直前の2017年2月にすでに逝去していたことが明らかになり、ファンや書店員から悲しみの声が大きくあがった。
藤井監督は『新聞記者』(19年公開)を手掛け、第43回日本アカデミー賞最優秀作品賞を含む6部門を受賞。主演の松坂桃李と共演のシム・ウンギョンがともに日本アカデミー賞最優秀主演男優・女優賞を受賞するほか、藤井自身も優秀監督賞を受賞し、その人気と地位を不動のものとした。今年1月には主演・綾野剛、共演・舘ひろしを迎えた『ヤクザと家族 The Family』も大ヒット。大きなスクリーンで観たくなる美しく透明感のある映像で、映画、ドラマ、MV、広告など幅広い映像作品を手掛け、名実ともに今最も注目されるトップクリエイターだ。
藤井監督は『余命10年』映画化に際して「当たり前が当たり前ではなくなったこの世の中で、小坂さんが残してくれた「余命10年」という作品が、皆さまの明日を生きる糧となるように、信頼するキャスト・スタッフと約一年に渡り四季を撮り続け、この映画に向き合って来ました」とコメント、本作へ並々ならぬ思いを馳せている。また藤井監督は役者に深く寄り添う演出をすることでも定評があり、映画『余命10年』ではどの俳優がキャスティングされるのか、主人公の茉莉や和人を誰が演じるのか、藤井監督がいかに演出をするのか……期待は大きく膨らむばかり。
『8年越しの花嫁 奇跡の実話』(17年公開)『雪の華』(19年公開)など等身大の若者のラブストーリーを描き、多くの大ヒット感動作を世に放ってきた岡田惠和、渡邉真子が脚本を担当。新たな映画界の才能・藤井監督と、感動ラブストーリーの名手といえる岡田、渡邉の初タッグにも注目だ。
また映画『余命10年』の公開に先立ち、今夏にはコミック版の「余命10年」の配信も決定。原作の「余命10年」をベースにLINEマンガでの連載をスタートさせる。発売以来、本屋だけでなくツイッターやTikTokなどSNSでも大きな反響を呼び、マンガ化、そしてアカデミー賞監督の藤井道人による映画化と、多くの人々の心を揺さぶり続ける「余命10年」。恋愛ドラマだけではない、その特別な魅力はこの2022年、さらに大きく羽ばたく。
2022年 ROADSHOW